夏のおわりのはじまりの秋/nonya
 

夜のおわりのはじまりの朝
シーツの広さを掌で思い知って
二人のおわりのはじまりの一人
残り香がひんやりと胸を掠めて

昼のおわりのはじまりの夜
未練たらしい影法師が踵から生えて
夢のおわりのはじまりの現
夜風に色褪せていく背中を丸めて

君のおわりのはじまりの君
火照った町並みに紛れ込んだ
秋の指先に君は気づいてしまって

僕のおわりのはじまりの僕
照れ笑いしながら遠ざかる
夏の後姿に僕は気づけなかった

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