占い師/
星月冬灯
私は人を惑わす
この呪われた口よ
虚言と罵られようとも
真実を云っているだけなのに
人の生命(いのち)さえも奪う
罪深きこの言の葉は
どうしたらよいのか
答えも見い出せないまま
ただ年を送り
そうしてまた
人を欺く
この先には一体何が
待ち受けていることか
恐ろしくて考えたくもない
人には厳しく律せよと求め
己にはどこまでも甘い
こんなに醜い心の持ち主であるのに
なぜこのような能力が
備わっているのか
私に一体何を
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