クロコダイルの夢/皆月 零胤
 
ったことだったが
同じクラスの誰かが担任の先生に話して
区役所に電話をしたせいらしかった
誰かわからなかったがそいつがとても憎らしかった



僕が大人になって景気が回復した頃に
その空き地に高層ビルが建てられることになって
秘密基地があった下あたりから 銀色をした
ぐしゃぐしゃになってしまった乗り物みたいのが
掘り出されてそれが新聞に載った

僕はいろんなことをすっかり忘れてしまっていて
そこそこ大手の企業で普通に働いていたが
あの日もらったノートのことを思い出した
表紙に「クロコダイルの夢」と書かれたあのノート

僕はあの小説の続きを書かなければならない
おにいさんはちゃんと月に還れたのだろうか



僕の名前は皆月零胤 ノートに書いてあった名前だ






※このお話はフィクションであり登場する人物は実在しません
 また未成年者の飲酒・喫煙は、法律で禁止されています
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