わたし、さかな/タマムシ
 
わたし、さかな

あなたの前では息もできない
それは言いすぎかもしれない

だけど夜になると
淋しさを呼吸するわたしは
誰でもない一匹のさかなになって

どこまでも
きっと、どこまでも
泳いでゆけるような気がする

あなたのいる方へ
少しかたむいたからだを
どこまでも見えない夜空に投げ出して

わたし、さかな

ベランダから見える星を
ひとりで数えながら
淋しさを呼吸する

あなたに会えるなら
きっと、どこまでも泳いでゆける

わたし、さかな
   
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