函 館 2/るか
 

無音の街路に唸りを漲らせ
 ことばでは なかった
剥落し、懐かしい光の意味だ
毀れた地の
震える優しさだ )




        くらい眸のような
        黎明の市道を
        つつんでいる
        愛
        雪のなかで 芽吹くもの
        の 微かな 声




        いまも
        こうして
        いる。
        口笛
        を
        吹きながら
        あかい耳を
        そばだてて。
        ごく
     
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