青空と瞳孔/sunaosnow
はやっとまともになったようだけどそこで過ごすのはだからといって彼女の頭との折り合いはいつまでもつかないのだろうなとぼんやり考える時間が大半だから結局僕の部屋はまともにならないままかもしれないや
花らしい花を咲かせ実らしい実をつけた君はいつもでも満足してないようなそぶりをしていて嫌な女だったけど周りに煙たがれていたと言えばそんなこともなくむしろある種の憧れのような目を向けられていた
僕は生理的に受けつけられないという使い古された表現をようやく身をもって経験した訳だけどそれは発作に近いものでよもや生命の危機すら感じさせ本来この表現はとても軽々しく使用できるものではないのだと実感した
狸寝入りで今日までやり過ごしてきたのだが結局は弾切れということに変わりない
寂しがり屋のために足跡が残らないアスファルトができたのだという君の嘘だけが好きだったのだと溶ける犬の肉球を見ている最中に気が付いたがあの日真っ黒いモッズスーツから伸びた白い手が飛行機雲を指でなぞる間にすべて忘れたことにした
戻る 編 削 Point(1)