モヒカン族/佐々木妖精
込むのは害悪だ
抜け落ちるだけの歯を
まき散らすのはよせお客様に料理の説明をしていたところ
ネズミがテーブルの上へ落ちてきたのです
ペストがくるぞと大騒ぎなされたのですが
いまやペストは治りますと懸命に説明したところ
煙草をやめる決意を固めたそうです
光が見えたのでしょう
伸び続ける小さな歯
生命の欠けらが
心臓がいつにも増して
ええじゃないかと由々しく舞います
お前はすでに ええじゃないか
踊り終えたら私は
歯の伸びる生き物となり
毛を刈りそろえ
ひまわりの種で己を磨き
歯の長さを競うのだ
ぼとりと落ちる その日まで
戻る 編 削 Point(3)