スガイのこと/吉田ぐんじょう
しながら
医学の知識を学んでいった
それから何年か経って
一番上の妹が病にかかった
何を見ても笑わないという病であった
スガイは医学書に書いてあるとおり
山から薬草を採ってきて
それを魚の鱗と練って丸薬をつくって飲ませた
飲んだ途端に
一番上の妹はけたたましく笑いだして
そのまま狂い死にしてしまった
薬が効きすぎた所為だ とスガイは思った
その翌年に
二番目の妹が山で毒虫に刺されて
足が倍くらいに腫れてしまった
スガイは医学書に書いてあるとおり
冷水を注いで毒を吸い出した
しかしスガイの吸い出し方が不十分だったため
二番目の妹は体中に毒が回って
熱い熱
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