夕立ち待ち/秋也
部屋で音楽がゆっくり流れて
外で雷が鳴って
曲の切れ目に窓が光る
合図
音楽の方はシンバルで
私はどちらなんだろう
音楽も雷もどこか遠まわし
クーラのきいた部屋で
屋根と優しい音に守られながら
濡れずに過ごすのか
傘もささず
夕立ちの中を
アレを求めて
稲光に耳を傾けながら
ひたすら走っていくのか
夏の切れ目
夕立ちが止むころ
猫が餌をもとめて鳴きはじめ
私がうとうとし始めたら
扉が開き
音楽が止む
バイオリンの長く繊細な音がぶつりと
笑顔だ
笑顔
大好きなんだから
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