波風/揚羽 欄符
碧い空を掴んで
波の下から投げると
チカチカして
目が眩んだ
君の目に浮かぶ波紋に 似ているなと 僕は考えるのだけれど
それは擬似的なもので
その波紋は君だけのもの、だということに
空も彼も頷いて、雨を降らせた
キラキラした物を
暗闇で見つけた、あの衝動
泣かないで。
そう、水面下で呟いた
波音に消されても。
僕等は海で溺れてる
また波紋が、広がる
広がっていく
君の口から音もなく
言葉は流れて
空に向かって
手を延ばした、僕
そこが見当はずれだとしても
痛くなる程愛しい君へ
戻る 編 削 Point(1)