金剛石(ダイヤモンド)/木屋 亞万
 
朝も
沸く客席
青空はまだ
夏の子供
踊る応援
内野も外野も
黙ってはいない
魔物が潜む宝石に
青年は魅了され
汗を惜しまず
走り回る
太陽と砂の中
活躍する
大きな革の手袋が
ここのつ

水を撒き
土を馴らし
バットは腹を
光らせている

打ち返された球
遊撃手は
いつものように
追いかけて
飛ぶ
体勢崩れて
二塁手に球を委ね
手早い送球
一塁手へと繋ぐ

打者は球から
塁に目標を変えて
頭から滑り込む
揺れるヘルメット
泥にまみれた
二人が立ち上がる
軍配は攻撃者に上がる

二塁手の投げた球は
一塁手の足元で弾んで
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