「 独り言 」/椎名
 
独り言
つぶやく
誰も聞く人の無い部屋で

頷いているのは
時計の音
お湯の沸く音
窓の外の車の音

明日も
あさっても
その次も
麻痺した言葉は流れ続ける

さらさらと
砂時計が落ちるように

独り言
つぶやく
誰も聞く人の無い部屋で

明日も
明後日も
その次も

麻痺した言葉は
こころまで麻痺させる

水をやり忘れた鉢植えのように
いつかひっそりと朽ち果てていくのだろう
こんなふうに
いつまでも呟きながら

永遠に
独り言

けして
会話には成りえない
ことば

宙を舞い
天上にぶつかり
床にたたきつけられるまで



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