暮らすように歌う/木屋 亞万
 
ッチンごと切れてしまいそうな
緊張感のなか森を燃やし尽くす歌を
アイドルのように口ずさむ
水と油のけんかする音がパーカッション
 世界をこの手で滅ぼしてやるわ
 火は燃えていよ彼が私に跪くまで

彼は冷たい蛇の歌を叫ぶ
 砂漠でも冷たい蛇になりたい
 どんなに周りが暑苦しくとも冷静に
 流されることなく太陽を嫌い続けたい
 彼女の乳房は当たり前にそこにあるもの
 存在を悲しませてはいけない
 月が太陽の居場所を奪わぬように

沈黙が会話であるように
歌うことは暮らすこと

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