太陽の光はまだ早すぎる/皆月 零胤
目を開けられないままに闇の中を彷徨い続けた
暗闇はこころを照らし出さずに隠してくれる
前を行く人たちの中にあなたの後ろ姿を探してしまうけれど
本当に探しているのは自分自身の後ろ姿なのかもしれない
子供の頃の無邪気な笑顔がどんなものだったかを
虚ろな闇の中で必死になって思い出そうとした
強い光はよけいに希望を奪ってしまうんだね
今はただ前を歩いてゆけるぐらいの小さな光を
大切にしていないと前にすら進めなくなってしまうから
太陽の光はまだ早すぎる
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