海の惑星/寅午
どこまでも、この海はおわらない
いつか、嵐の大波に呑まれたとき
四方を、滝のような大波に呑まれたときでさへ
わたしの意志はくじけなかった
たとへ、死神のムチに 皮膚を切り裂かれ
肉をそぎ落とされても、わたしは生き抜く
そして、亡者のごとく
骨だけとなって、月を見上げ、カラカラと笑ってやるのだ
月よ、揺さぶれ
おまえの太い腕で 海を揺り動かせ
いつか、あるじをうしない
海をさまようこの舟を、大地の岸辺へと導いておくれ
そして、おまえの雫で
大地に記しておくれ
土を踏むことなく
海の藻屑となったものの、一粒の涙を
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