玉川のほとりで/パラソル
、かかった水が
とてもここちよかった。
思念と金魚が、僕の頭の中でピチャピチャとはねている。
帰りに、さっそく金魚鉢を購入した。
そしてそれを頭にのせて帰った。
そうか、あの職員は、そうか、そう言う事か。
思考をつなぎとめておく、入れ物が、必要だったのか。
ふと何かを思い出した。
僕は玉川に寄り道した。
川に入ってみた。
すずしい。水が流れている。
ちょっと横になってみようか。
僕は、首までつかった。
まわりは、ほんとうに流れている。
いろいろな流れが、僕の新しい頭をゆらしている。
さっきまでつなぎとめていたものが、金魚鉢から簡単に流れていき、
それがちっとも惜しくない。
玉川で沈んだ女も、ここから戻れなくなったのだろうか。
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