煙草、空回る日々と。/菊池ナントカ
工場長が、君の次の休みは火曜日です。と告げる。
俺はラッキーストライクの箱を開けて足りるかな、足りるか。と煙草の残量を確認する。
新規メール作成のボタンを押して「さようなら。」とだけ打って送信。
不安だけが胸を押し上げる。
レバーを押し上げる。
群青色のピストルに打ち抜かれるのを待っていた。
最終電車に乗り込んで自宅にノロクラと帰る。
帰り道、自販機で煙草を買おうとして「そうだ、タスポか。」と気付いて失敗る。
メールの返信は来ないけど、多分これでいいんだろ。
自分自身に吐き気がする。
自販機の前で胃液を吐く。
群青色のピストルに打ち抜かれるのを待っている。
あぁそうだな。
いつの間にか真っ暗な道だ。
でも戻れねぇ。
真っ暗すぎて戻れねぇな。
群青色の、
群青色の、
群青色のピストルに打ち抜かれるのを待っている。
あれから微熱が下がらない。
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