運び屋になったら /パラソル
 

青に灰色が混じっているような気がする。

僕はもう、運び屋を廃業することはできない。
このタンスが捨てられたら、おそらく解体される。
バラバラになった引き出しから、無限の黒がたちあらわれて
たちまち世界中を夜にする。

そしてその夜は、おそらく二度と元に戻らない。


最近、なじみの得意先が廃業したり、
2代目になって、佐川急便に鞍替えしたりしている。
軽油の値段は1リットル200円になった。

僕はいつまで走れるだろう。とりあえずは今日も
トラックにはたんすが
マフラーと積載物から黒い煙が
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