鳥と青/
木立 悟
景をついばみ
波紋をついばむ
ひとり顔をあげ
空白を呑む
昼の光が重なり
道の片隅で青になる
明るい壁に蜘蛛の巣は消える
音のたびに破れたなびく
水滴の上を
火がすぎてゆく
水滴のみの水滴
水滴は揺れる
さかさまの原
さかさまの窓
熱はふたつ
とどいても ふたつ
水の声
水の風
ひとりはひとり
空へ歩む
青は音になり
空を割り
羽は青になり
空をふさぐ
水はすぎて
まだらの空白
鳥のかたちに
無言は降る
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