ペーパー・シープ(紙の羊)/
たもつ
まだ幼い車掌の
ポケットの中で
紙の羊は
長く生きられない
かつては命の一部として
穏やかな日の光を
浴びていた気もするけれど
めー、と
ひとつ小さく鳴いて
もう誰に
会うこともない
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