友だちと夏/さだあいか (サダアイカ (aika))
 
砂浜からおーいと呼ぶけれど

友だちはもうみんな遠くへ行ってしまった

かもめかと思っていたら

船だったので

白い帆はどんどん小さくなって

水平線の向こう側へ

目的地があるようだから

目的地へ向かってゆく

わあ

素晴らしいもののそばに居たのだな

思うまで時間がかかったが

春から夏になったように

夏から秋になってゆくから

少しづつ泳ぐ

泳ぎを

ぶざまでも進む

少しづつ

じりじりと照りつける日々

もうすっかりみえないけれど

おーい

おーい

と時折呼ぶ

じりじりとじりじりと

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