牛/黒川排除 (oldsoup)
昼に面した明かりの店室外機三つ
小石靡くもう小鳥でも構わない空
土ならす日を浴びて花など咲くな
高熱の死角に触れる鉄の釜
目を閉じてかかとの文字を読み上げる
ちょうどこんな形だった厚紙謝意に焼き
菓子折り持って歩くには手が長すぎ炙る
枯れた木離れてもし婿がおればその分横たわる
下流の酢のコップ透明に通じる現世
7
光沢する婦人昼より明るい悲しみ
名の書かれた表紙に意図して燻るリス
にゅっと街灯突き出し分離帯の剥製
壊れた車が来た本当は明日来る迎え
翁火花発し歩く極逆流分子
骨からバラバラ鉛筆の鍵括弧を
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