牛/黒川排除 (oldsoup)
 


昼に面した明かりの店室外機三つ

小石靡くもう小鳥でも構わない空

土ならす日を浴びて花など咲くな

高熱の死角に触れる鉄の釜

目を閉じてかかとの文字を読み上げる

ちょうどこんな形だった厚紙謝意に焼き

菓子折り持って歩くには手が長すぎ炙る

枯れた木離れてもし婿がおればその分横たわる

下流の酢のコップ透明に通じる現世

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光沢する婦人昼より明るい悲しみ

名の書かれた表紙に意図して燻るリス

にゅっと街灯突き出し分離帯の剥製

壊れた車が来た本当は明日来る迎え

翁火花発し歩く極逆流分子

骨からバラバラ鉛筆の鍵括弧を
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