夏の始まり/蜜柑
夏の始まりはいつも目が覚めると
私の視界はぼやけていて、ちょうど海の中で目を開けた時の様に、視界がゆらゆらと揺らめいている
足元は雲の上を歩くようにふわふわと足場が悪い
時折私は雲と雲との切れ間をジャンプして渡る
体が大きく揺れる
すると私の耳から脳みそと思想が零れでそうになったので、慌てて手で耳を押さえた
空と海が逆転している
青一色の世界
まるで夢の続きを見ているかのようだ
しばしば瞳の中で魚が泳ぎ飛び跳ねていたので
私はまだたきを何度もしなければならなかった
雲を渡り続けて、冷蔵庫の前に辿り着いた
白い扉を開けると、冷た
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