羊たちのまどろみの宴/りゅうのあくび
 
1.

まだ小さな姉妹たちが
夜明けの色をした色鉛筆で
たくさんの羊の絵を描きながら
うとうとしていたら
一匹目の雄羊が
夏の部屋の小さな黒い空を
食べ始めました
たいへんお腹が減っていてようだったので
壁に掛けてある時計と
身支度のための手鏡と
紺色の髪飾りの影も
次から次に食べて始めたところで
暗闇も影も全ては食べきれずに
すやすや眠ってしまい
夜が少し深くなりました

2.

まだ小さな姉妹たちは
寝床に就いてから少したったばかりで
夢の中へと二匹目の雌羊が現れていて
酒屋でケース売りの
缶ビールをたくさん家まで買って来ました
宴を開く運びと
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