風の言葉/
青色銀河団
{引用=
外は雨。
窓のガラスに幾粒もの涙が
透明な線を斜めに描いていく。
ベッドの上からその景色を見上げていると
左手がやさしい感触に包まれた。
夜の部屋。
原野 夜(はらの よる)。
あたしと同じ16才。
きのう会ったばかりの男の子。
風子ってちいさくてかわいいけど
手もほんとちっちゃいんだね。
でもね握り心地がすごくいい。
耳元で夜の声が少しくすぐったい。
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