竜の腹/北斗七星
半身を散らし
半身を埋め
風になった竜の腹をくぐる
竜は、びぃだまの中を覗くと見えた
馬鹿にされた僕は
悲しくなって目を閉じた
あれから幾つ大人になったのだろう
まだまだだね
なんて
馬鹿にされた僕は
幾度、目を閉じたのだろう
あの時に見えていたものを
忘れることが偉いことだと目を閉じた
半身を捻り
半身を反らし
風になった竜の腹をくぐり抜け
竜はびぃだまの中を飛び続け
僕は
半身を散らし
半身を埋め
こっそりと
誰にも見せることの無い
右手の中にある
びぃだまの中の
風になった竜の腹をくぐり
あの時の僕を覗いてる
びぃだまの中から
外側にいる
あの時の僕を見つめてる
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