羽虫の夕暮れ/
あみ
ぽつぽつと飛び交う
耳障りな羽音
乾き損ねたコールタールに
再び水を打つ
門をくぐれば
生臭い土の香り
産まれ朽ち
吸い上げられる
老いた桜の木は切られ
残った切り株から
若葉の孫娘達が
我先に枝を広げる
庭には
君が朽ちている
羽虫は
君を循環させる音になる
騒ぎ出す
雨になる
君が降り注ぐ
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