童話「なないろのつる」/チアーヌ
と、そこにはすっかり白い色に戻ってしまった鶴が、暗い顔をして、コーンフレークに牛乳を入れていました。
「あれから、どうだったんですか?」
ゆうなさんがたずねると、鶴は悲しそうに、
「不自然な男は、もっと嫌だって言われました。しかたないですね」
と、言いました。
ゆうなさんは、なんと言ってなぐさめてあげたらよいのかわからず、とりあえずコーンフレークを口に運びました。
「でも、ゆうなさん、ありがとうございます。ぼくの無理なお願いをきいてくれて」
「いいえ。でも、わたしも、鶴さんには、その真っ白な羽が一番似合っているような気がします。色がついていても、すてきだったけれど」
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