もういちど前を向く/
湖月
優しい手に言葉は潰され
汚れたような日々は拭えば溶ける
ひとつの言葉を持たないわたしは
凍りついた喉を震わせ
通じることのない音を立てる
お話にならない文字はだれにも伝わらないですか?
ごめんなさいすみません
あなたが こわいです
強くありたいのにいつまでも脆い こころの外側
冷たい紅茶の香りが
夢のような痛みの目を覚まし
もいちど立ち上がろうと 背筋が伸びる
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