トーキョー/10min./石畑由紀子
 
ート、侘しげな蛍光灯、ダイヤどおりに
また電車は止まりそして再開したのでしょう、騒然と、静かに
あれからもう2週間が経ってるっていうのに
私のキャミソールはいつまでも濡れたままで
裾からぐずぐずと滴がこぼれています
たった10分を追うためにひとときも立ち止れない、トーキョーに
呑まれた人々の体液なのでしょうか
からっぽを描き続けたかつての音楽にもまぎれなき生身の血流がありました、そのように
トーキョー、私が見た
街は東京、あの日たしかに泣いていたのです






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