勝手に生きろ/ゼロ
 
駆け抜ける人のあとを
幾千の眼が追いかける
逃れるために人は走る
        
眩いばかりの光を持って
幾千のその眼を
閉ざすために人は走る
 
好奇の眼
愛情の眼
羨望の眼
哀願の眼
                
どのような眼差しにも
怯むことなく
逃げ続ける速度
放ち続ける光
        
先にあるのもの
手にしたいもの
そんな言葉を
突き放す速度
包みこむ光

駆け抜ける人にある
幾千の創造
見出すために人は走る
        
自分から逃れるために
追いつかれないために
自分という名の人は走る

勝手に逃げろ
勝手に輝け
人生が美しい限り

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