夕暮れハニー/船田 仰
いを浮かべたきみを
ぶっ潰してしまいます
これから、の為に空気をいれる人生
あんたに見えないとは言わせない
ハニー
夕暮れ色のまま撃ってみればぼくに聞こえたかどうかわかるよ
そして精密機器のように
すーっと目をまわした街で
きみを越えようとおもう
かぎかっこのない未来があったとして
歩くかどうか定かでないとして
ぼくが淋しがっているからってきみとなんの関係があろうか
冷たい飲み物と素敵な服と
小指のさきの痙攣した言葉が
ここで
呼吸しているうちに
ねえハニー
きみは僕を量り知ることが
できるかもしれないのに
ノックしたドアの裏側には
いつだって画鋲一個のフレーズ
それはだれのものでもないので
ぼくは涙せずに苦笑いして歩き出す
プレイバックいつかの朝きみと見た足音
そこで歩けばいいさ
夕暮れ色が横顔を隠した終業式にて
ぼくはきみを越えようとおもう
ハニー
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