花火について/
吉岡ペペロ
南の低いところに
朱い月がまんまるく
すこし離れて花火の明滅
幼な子に花火について語る
それは物足りないリレーのようだ
ベランダから花火を見つめている
わたしの話には耳を傾けない
芥川の話や
消えるもののうつくしさについて
そんなことには興味をしめさない
眼下の明滅に幼い感嘆をあげている
南の低いところに
朱い月がまんまるく
すこし離れて花火の明滅
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