水の中は/北斗七星
ひとつの温度に
肌全部が包まれる
水の中は
ひとときだけ僕の存在を許し
水の中は
ひとときだけ解放を許し
ひとつの重力に
肌全部が包まれる
昨日の夜と今日の夜
水面の境は二つの夜を
水面の境は二つの世界に
仕切りを立てて
二つの風が吹いている
列車の窓から見える海は
日常の風を浴び
ゴトン ゴトンと揺れて映る
仕切りの先に広がる
かけ離れた空間に意識が
囁きかけて光って見える
見上げると今日の夜と明日の夜の水面が波に揺れている
ひとつの夜に
肌全部が包ま
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