見えない。何も。/桜
ていたものを、
むしろ見向きもしなかったものを、
あっさりと信じて受け入れようとしてしまう。
自分の成分が、自分でもわからない。
それがとても、不安だ。
ここに僕が居る。
それは時間軸の上の一瞬の出来事であって、
僕を囲んでいる笑顔も、優しさも、
ふと気づいたら消えてしまうかもしれない。
そんな事ありえないかもしれない。
でも、ないとは言い切れない。
それが。
今日も、音もなく日付は変わって、僕は明日になる。
こうやって何回も何回も繰り返す。
音も無く。
いつまで続くんだろう。
僕はどうなってしまうんだろう。
見えない。何も。
離れ離れになってしまった思い出。
変わることなんて、当たり前なのに。
もっと変わってしまって、
そしてどんどん離れてしまう。
こんなことを考えながら、真っ直ぐ歩けるんだろうか。
きっと、僕は変わってしまった。
だけど、このまま。
だけど今までどおりにきっと、
時間は流れていくんだろうって事も、すべて、僕は。
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