見えない。何も。/
 
恐いんだな。僕は。
3年前、知り合いが死んでしまったんだけど、
それは何の前触れもなく。
僕は彼の顔も覚えていて、
いい人だったことも覚えているから、
ただ、なんで、と思った。

僕の体は人並みに丈夫なので、
たぶんそうそう壊れないとは思うけれど、
怖いんだな、僕は、いろんなことが。
たとえば誰かが居なくなるのがとても怖いし、
自分が変わってしまうことも。

壊れないはずの体に、頭がついていかない。
時々それで悲しくなって、涙を流してしまう。
栄養の足りているはずの体が、
何を求めているのかが、自分でもわからない。
それがとても、怖い。

ひねくれた目で見てい
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