風の日曜/李伍 翔
ふと
君のことを思い描いて
世 界 に気付く。
本当に何気なく
ケータイをいじっている自分が
やっぱり空っぽで
どこか、
足りなくて
それらを埋めるためだけに
うず高く積んだ
本の中に身を投じる
どこか 空虚で
どこか いっぱいの
文字の羅列と
一緒にいれば
僕の
空白が埋まっていく気がしたんだ。
僕なら
大丈夫。
君なら
大丈夫。
そんな言葉で
癒される日々は
もう無い。
そんな言葉は
やっぱり
通り過ぎていくだけだから。
忙殺の日々と
その隙間のような休日に
一陣の風。
散る花弁の一枚が
ゆっくりと落ちて
ふわりと
広がった気がした
その薫りに
君との記憶だけ
思い出そうとして
涙 が零れた。
戻る 編 削 Point(1)