山の手紙/yo-yo
 
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これまでどうやって生きてきたのだろうかと
道標の文字をさ迷っている
旅人はなかなか行先を見つけられない
山はのどかに噴火している
ぼくは噴火しない

快晴
気温二十五度
標高一五〇〇メートル
胞衣を捨て
雲の境い目を抜けると夏が見えた

ぼくは回想する
そして言葉を追うだろう
いまは言葉だけになってしまった山と川を
さらに花と風と赤子とを
だが手紙は書かないだろう
そこにはもう
ぼくは居ないのだから



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