「夜顔」/白い羽根
 
  こんなとこ咲いたって
  咲いたって
  無駄だってわかってるのにやめれない
  光合成なんか後ですればいい
  今は暗闇を裂いて裂いて咲いていたい
  時々照らすライトが眩しくて眩んでしまう
  
私の顔を見ないで
今は見ないで
泣いてるかもしれないから見ないで

  葉の影に
  見覚えの有る気配
  独特の香りに酔って忘れるから
 
貴方が置いた棚の上に
乗りっぱなしの私を
引き摺り下ろすような闇に癒されるんだ
 
  朝になる前に枯れるよ
  私は夜顔
  一夜だけ咲く華
  明日の夜は違う華を咲かせ
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