仔猫/あおば
080721
空気がくれた
赤ん坊
(優しい目をして
(見つめるから
(つい油断する
(本当のことは
(誰にも言ってはなりません
空気が
足らないから
返しておくれ
猫が生意気を言うから
振り向いたら誰もいない
空耳かと思ったら
盲点の中に隠れたものが居て
そいつが呟いたのだ
空気のように透明なものは
自由に取引できるのだと
水の都から大船で運んできた
精製水
雨水は不純だと言いたげな青春時代
荒唐無稽な妄想を繰り返す欲求不満
コンクリートの強度を知らないで
模擬装置に頼る空気の性質
シュミレーションと
シミュレー
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