環情線/Rin K
 
すこしだけ怖いことを考えたくて
夢の中で君を消した
白い朝がやってきた
さよならが乾きたてのころ



机の上に散乱する単語帳
角が折れてめくれてゆく
覚えることと忘れないことの間で
ひとつづき震えた夏



君を描こうとすると
いつも同じような色ばかり並べてしまう
それくらい君の
背景は海だった



嘘みたいに晴れて
壊れたように笑って、それから
どうして私たちは死ぬのだろうって
秒針を止めて呟いた君が




水平線をなぞった指先の青で
君に会いに行く
それだけでよかった
七月はただ熱く



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