白泥/こんぺき13ごう
 
 まっしいろいまっしろな泥に包まれて身の重を落とし眠りに緩んだ頬

 窓に見えるはかの鳥の毛づくろい
 壁には筍の透かし彫りを重ねた円筒の照明が左右に
 翳の羽を広げて日を遮る布から洩れる

 真っ逆さまに月日は流れ記憶となり

 急降下
 白泥
 窪んだ中皺

 捩り凝固せずただ重みに揺れ沈む

 飽くる迄繰り返し辿っても反り返るそして一時沈み溶ける
 その白泥へと

 飽くるまで沈み倒してしまおうかと寝息の直下で指を這わせその指を舐める
 人指し指と中指よりも生見の薄い弧を辿っている
 すると指から延びゆく影らしき黒さが何処までも何処までも

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