家族/
山中 烏流
あと
わからないところを
ねえさまは
よこでうごかない
にいさまは
とおくをみたままで
わたしのこえに
こたえてくれないの
ねえ
わたしはどうすればいいの?
どうすれば
みんなでしあわせになれた?
******
(中指と薬指
(その間の水掻き
おんなは
幾つであろうとも女だった
包み込んだ壁の
湿った感触に対する、鳴咽
(手首から肘
(静脈に沿って流れた赤
これが、命だった
******
「必要と
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