そこのけそこのけ詩人が通る/北斗七星
 










詩人が通ると
春風が追いかけるらしい

詩人が悩むと
猫が笑うらしい

詩人が驚くと
犬も笑うらしい

詩人が喜び悲しむと
月が満ち月が欠けるらしい

詩人が黙ると
鳥が囁くらしい

詩人が眠ると
名も無い草花が揺れるらしい

詩人が目覚めると
決まって空を見上げるらしい




そこのけそこのけ詩人が通る



春風が追いかけ
猫が笑う
犬が笑う

月が満ち月が欠け
鳥が囁き
名も無い草花が揺れる

そして

又ゆっくりと空を見上げる










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