赤い下着/榊 慧
思ってることあるんやし。」
「それが本人には一番やし、それが支配してるんやからどーしよーもないやん。」
見下した目線、緊張しているかのような足取り。
「あん時の男やオッサンやって、きっと愛っての持ってたんと思うねん。」
「せやからええねん。」
それでもずっと飛べるなら。
「なあ、俺は今腰が悪うてそんな走ったりでけへんけど、」
「早く駆け抜けたり、飛んだり、したいねんで、いっつも。」
やっぱり愛ってのは、
きれーな姉ちゃんがつけてる赤いゴージャスな下着に、違いない。
七月十五日火曜日、蒸し暑い夏の午後二時半。
そういう日常を。
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