スタティック/udegeuneru
冷たい雨粒のひとつが顔面に直撃する。
小学生が間隔をあけて歩道を歩いてる。
濡れた犬の臭いが鼻腔をくすぐる。
それらが通り雨のあったことを俺に教える。
すれ違う女のTシャツの胸のライン
女のなげやりな腕の振りかた
ジーンズからはみでた柔らかい尻の肉
アスファルトのグレーの諧調が10段階で2から8ぐらいに変わっていて
地面の摩擦係数が低く、タイヤはすべるように回転する。
洗濯物が自重に吸ったぶんの雨の重みをくわえ
なさけなく垂れ下がっているベランダの光景を想起する。
顔面に虫と埃ががまとわりつく
白ソックスを馬鹿にする感性がダンスしててまどろっ
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