早朝よせて/あすくれかおす
 
とすらも
何もかもを忘れてしまって


目も耳もある世界で嗅いだ匂いは
果たして本物だったろうか



さわわ 
 さわわと


気がつけば 
炭酸が昇っていくみたいな音の風


海鳥は やがてくる空模様をよんで 
陸橋の見える方角へ
旋回しながら飛び立っていく


私もぼんやりした白朝夢を醒まして
裏腹な駆け足で
朝食の匂いを
食べにゆく








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