海辺の詩集/嘉野千尋
 

   これは君の指、君の髪、君の頬



 *地球照

   あなたを映そうとして
   欠けていくしかなかった
   わたしの心が
   いつか金色の糸となり
   消えようとする一瞬に
   欠けていった
   その傍らで
   照り返しのように
   あなたを映して輝いたこと



 *潮騒

   今日、君に
   さよならをいう
   心のどこか
   遠い海に明け渡した場所で
   君の刻んでいた鼓動が
   さよならをいう



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