Eastern stamp/
木屋 亞万
蝶は虚構の中で
自在に飛び回り
隙を狙い天国に
紛れ込んでいく
根の支配する地底
ないまぜの死体が
植物に甘い粘液を
いくつも咲かせる
夏の風に膨らむ帆
高すぎるマストで
三角の大きな翼が
東風を探している
硝子の破片の中で
ダイヤもただの粒
磨き上げた原石も
輝いて、それから
流星群は光る
へびの大移動
夜から夜へと
星霧を移って
探しあぐねる
願いを秘めて
もの思う視線
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