不届き/kei99
公園の隅
ベンチの宇宙
俺はまた
全ての嘘を
イヤホンに押し付けていた
流れる時と
流れる音が
静かに混ざる
混ざって消える
不埒だな
一人呟く
直感的な
嗅覚が正しかったら
俺はその場で言えただろう
「浮気者!」
溢れる才能を認めることは
時に辛く厳しい
単調な言葉は
子供のおもちゃに似ている
ポロポロポンポンポン
固まった脳味噌には
丁度良い
残酷な電子レンジは
押し黙ったまま
暖める
暖まったものは
例え一度冷えた虚構でさえ
おいしく感じさせる
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